腎臓が尿を作る臓器である事は皆さんも良くご存じでしょうが、酵素やホルモンを作り分泌している臓器である事はあまり知られていません。しかも、これらには血圧の調節や赤血球の産生・骨の産生をコントロールする働きがあると言うと、意外に思われる事でしょう。
腎臓では、尿をこし取る糸球体のすぐそばに腎動脈の血圧の変動を感知するセンサー細胞があり、ここで血圧をチェックしています。血圧が低いと腎臓の「ろ過」機能が上手く働かないため、腎臓は血圧を必要として「レニン」という昇圧酵素を分泌します。
レニンが働くと、全身の細r動脈が収縮して血圧が上がります。更に尿細管でのナトリウムの再吸収が促進され、血中ナトリウム量が増えて一緒に水分も増えるので、血液量が多くなり更に血圧が上がると言う仕組みです。
反対に血圧が高すぎると、「カリクレイン」と言う降圧酵素を分泌し、プロスタグランジンという生理活性物質を介して血管を拡張し、血圧を下げる働きがあります。レニンの昇圧効果は強く速効性があるのですが、血圧が上がりすぎるのを抑制するため、カリクレインやプロスタグランジンなどが働いて調整しているのです。
また、腎臓は貧血になると造血ホルモンの「エリスロポエチン」を分泌し、骨髄に働きかけて赤血球の産生を促進します。従って、腎機能が落ち・てしまうと赤血球の産生が低下して貧血になります。つまり生命力が低下してしまう訳です。
また、カルシウムを腸で吸収したり、骨の中に取りで骨を丈夫にするなど大切な働きをするビタミンDは造骨ビタミンの一つとして扱われていますが、腎臓はこのビタミンD代謝の最後の活性化を行っています。シイタケなどから摂取したプロビタミンは、日光に当たる事で皮膚でビタミンD2に変換されます。その後腎臓で、効力の強い「ビタミンD3」に活性化されてはじめてビタミンDとして働きます。従って、もし腎機能が低下してビタミンD3が不足すると、骨はカルシウムを取り込む事ができないだけでなく、血中カルシウムも低下するので骨からは大切なカルシウムが溶け出してしまう事になります。
このように腎臓は、生命の根元とも言うべき大切な、様々な働きをしています。まさに、中医学で言う「生命の源」としての「腎」がここにあるのです。
腎臓とホルモン


