「気持ちが晴れない」「気分が落ち込む」「ゆううつだ」「やる気が起きない」などとうつ状態をつらいと感じながら、何年も会社や家庭で何とかこなしている、という人が増えています。
漢方相談に訪れる人の中に、身体症状が前面に出ているタイプのうつ病や心身症などが多いという指摘を、ドクターから伺ったことがあります。
病院の検査でも原因のはっきりしない痛みなど数多くの身体的症状や、体が弱っているために生じる何となく気分が振るわないというものは身体的症状を強調しがちなため、本人や周囲もその訴えに囚われがちで、ストレスや心理的葛藤に気が付いていない場合も少なくありません。
身体的症状から気分が振るわない場合には、身体的症状が楽になると気分的な「うつ状態」も改善することはよく見られます。この場合も、まず身体的な症状の改善を心がけるのが一般的です。
心理的な部分が強いと考えられる場合などは、専門医への受診を勧めることが多いと思いますが、いきなりでなく、何回か相談する中である程度の信頼関係を築いた上、大人の場合も患者さんに納得していただいてから、子供ざんの場合ご家族に納得してからの方が良いなど適切な対応が求められます。
◇身体的症状が中心となるもの
●自律神経失調症:心理的な要因が関与しない生体の恒常性(homeostasis)の異常
●心身症:ストレスが強まったときに身体の症 状として出るもの
●身体因性うつ病:体の病気や服用している薬 物の影響により起こるもの
●軽症うつ病(気分変調性障害):心理的ストレスが切っ掛けとなって起こる比較的軽いうつ病で、精神的症状に比べて身体的症状の方が多く現れるものなどが含まれます。
◇うつ病の方との応対上の注意
うつ病は、「心のカゼ」とも言われるように、カゼの治療と同じく早めの処置が何より有効で、休養が重要という点も同じです。同時に、次のような対応上の注意が必要です。
1.不用意に励まさない
本人は「期待に応えよう」と疲労しきった心と体にムチ打っており、励ましは負担を増強させてしまいます。頑張って!と励ますよりは、休養をすすめましょう。
2.気晴らしの方法に注意
人と一緒にいることがかえって苦痛に感じてしまうことがあります。気晴らしに食車や旅行なども人と行くことでかえって悪化させてしまう場合があります。
3.症状がひどいときは受診をすすめる
心の症状で受診することは今では、特別なことではないことを強調し医師の治療を受けることを勧めてください。
4.本人の言動に注意する
自殺を考えるほど深刻な状況に陥っている場合、言動にそのサインが現れていることがあります。注意深く見守り、自殺願望が疑われたら早急に専門医に相談するようお勧めください。
「うつ」への一般的な対応


