嗅覚障害 味見も落ちる、タイプは3つに大別
食事に配慮、気長に治療
五感の一つである喚覚(きゆうかく)は、障害を受けても直接命にかかわることがほとんどないことから、これまであまり重要視されてこなかった。しかし、臭いを感じないと味覚も落ちるなど生活への影響も無視できない。喚覚外来を開設している自治医村大学の太田康講師(耳鼻咽喉科)は「原因によって回復期間は異なるが、食事に配慮するなどして気長に治療すること。」と強調する。
嗅覚外来をもつ医療機関が各地にみられます。嗅覚障害の患者は増えているのでしょうか。
「喚覚障害を感じている人はそれほど増えてはいないと思います。ただ、それほど気にしないで放置していた人が医療機関を訪れることが多くなってきたことは確かです。生活にゆとりができて臭いに関心が高まったことも背景にあると考えられます。調理の際に困るためか女性の来院者も多くみられます」
嗅覚障害にはどんなタイプと原因がありますか。
「三つに大別できます。第一は臭い物質が鼻の奥にある喚上皮にまで到達しないものです。ノこれは呼吸性嗅覚障害と呼ばれ、鼻づまりなどによって起きます。第二は噴上皮性嗅覚障害といって、喚上皮にある神経が損なわれて起きるものです。第三は喚上皮と脳までの神経が障害を受けるタイプで、中枢性喚覚障害と呼んでいます。軽症から臭いを全く感じない重症まで様々です。本来の臭いと違う臭いに感じられる異境症というものもあります」
原因は慢性副鼻腔炎(びくうえん)、風邪、アレルギー性鼻炎、交通事故による頭部外傷などです。原因がはっきりしないものもありますし、一般に高齢者では加齢で嘆覚が低下します。
「慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎では呼吸性嗅覚障害が現れますが、長期にわたると噴上皮性嗅覚障害を合併してきます。風邪をひいた時は、たいていは風邪の軽快とともに嗅覚障害も軽くなりますが、その一部に風邪が治っても嗅覚障害だけが持続することがあります。多くは嗅上皮性喚覚障害によりますが、その場合嗅上皮の障害の度合いによって嗅覚の回復度は違ってきます」
治療法は。
「慢性副鼻腔炎など原因疾患を治療して鼻の通りを良くすることがまず必要です。そして嗅上皮の炎症を抑えることです。一番多く使われるのはステロイド点鼻薬ですが、薬が嗅上皮に届くよう頭を反らせることが大切です」
「普通は毎日朝晩一回ずつ点鼻し、5〜10分ほど鼻の奥に薬を滞留させます。これを3〜6ケ月ほど続けます。
ステロイド薬なので、定期的に血液検査をして副作用をチェツウする必要がありますJ
「治療にも限界があることは確かです。嘆覚が回復する率は60%ほどでしょう。食事に配慮するなど専門医のアドバイスに従って気長に治療することが大切です。より根本的な治療法としては喚上皮を再生させたりすることなどが考えられますが、これらは今後の課題でしょう」
異嗅症なども困った症状ですね。
何を唄いでもくさいと感じる場合もあるので、調理の際などは不自由でしょう。
口頭部外傷などの後、嗅上皮から脳に行く神経が再構築される際に、これがうまくいかないためと考えられます。的確な治療法はまだないのが現状です。ただ、時間が経過するとともに次第に良くなるケースもあります」
多い50歳代以降亜鉛摂取が必要嗅覚障害の人は50〜60歳根以隆の人によくみられる。高齢者では噴覚が低下しているし、ダメージを受けた神経機能の回復力も落ちているからだ。
味覚と同じように喚覚にも亜鉛が深く関係しているといわれる。このため、亜鉛を多く含む食品を取ることに配慮することも大切だろう。血液検査をして体内の亜鉛が普通の人より少ないと亜鉛の摂取を進める医療機関も多い。
亜鉛を多く含む食品としては緑茶、せん茶、牡蠣(かき)、数の子、イワシのみりん干し、煮干し、ナッツ類などがある。
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