肝臓とうつ(気分障害)

うつの人が増えています

元気が出ない、やる気が起こらない、何もかもうまくいかない、死にたい・・・。

不況や失業で気分が落ち込み、そこに健康レベルの低下が加わって、病気とまではいかない軽度の「うつ」が激増しています。

うつ病の終着駅ともいえる自殺で亡くなる人も年間3万人をゆうに超えています。

うつ病は「気分障害」と呼ばれ、躁とうつを繰り返すタイプ、うつ症状だけを繰り返すタイプ、軽い症状のうつ、重い症状のうつ、などその内容はまちまちです。

うつ病とは体の不況

うつ病は英語でデプレッション(deprresion)といいますが、これは不況(不景気)を意味します。

社会の不況は「お金と物のめぐりが悪くなった状態」ですが、体の不況ともいえるうつは、漢方で言う「気と血のめぐりが悪くなった状態」です。

「気のめぐり」が悪くなると、気分が重い、ゆううつ、楽しくない、集中できない、ものごとを悪い方へばかり考える・・・といった傾向になります。

「血のめぐり」が悪くなると、体が重い、疲れやすい、眠れない、朝の目覚めが悪い、体のあちらこちらが痛い・・・といった症状が出やすくなります。

体の不況であるうつの改善には「気血のめぐりを良くする」ことが大切です。

うつは心も体もエネルギー不足

気とは心(精神・気分)であり血とは体(肉体・物質)で、気血(心と体)は一体です。

心が活力を失うと、その影響は肉体に及び、逆に体の調子が悪いと気分も落ち込みます。

気のめぐりが悪いとエネルギーの循環が停滞します。大きな声を出したり、笑ったり、体を動かしたりして滞った気を発散させ、気のめぐりをよくする必要があります。

エネルギーが不足すると血のめぐりが悪くなります。エネルギー代謝に必要なカロリー、アミノ酸、ビタミン(特にビタミンB群)、ミネラル、コエンザイムQ10などの「栄養素」と同時に「酸素」を十分に補う必要があります。

うつでは血液もドロドロ

血液は、肝臓の機能低下、疲労の蓄積、ストレス、運動不足、糖尿病などで抗酸化機能が衰えるとドロドロになってしまいます。

血液がドロドロになると酸素の運搬能力が低下して、体は疲れやすくなり、エネルギーの生産量が低下します。酸素を運搬する赤血球が少ない貧血で体が疲れやすくなるのと同じ現象です。

うつ病に限らず多くの体の不調の際には血液がドロドロになっています。。

アルブミンとトリプトファン&チロシン

ほとんどの人が人生のうちで1度以上うつを体験するといわれます。原因はいろいろありますが、いずれもからだの中では血液ドロドロと同時に、脳内のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、GABA(ギャバ)などの神経伝達物質の不足やアセチルコリンの過剰など、脳内代謝物の異常が起こっています。

肝臓で作られるアルブミンが抗酸化作用を発揮するとき、アルブミンを構成するトリプトファン、チロシン、ヒスチジン、システインなどのアミノ酸が減少することを前号で述べました。

トリプトファンは代謝されてセロトニン、メラトニンになります。チロシンはノルアドレナリン、ドーパミンの原料となるアミノ酸です。こうしたアミノ酸の不足はうつの助長につながります。

肝機能の低下でうつになる

肝臓の機能が低下すると、アルブミンをはじめとした抗酸化作用を持つタンパク質が作られなくなって血液はドロドロになり、酸素欠乏からエネルギーが不足して代謝機能が低下し、活性酸素によってトリプトファンやチロシンが破壊されて、セロトニン・ドーパミンが不足し、うつが生じる、というパターンができあがります。

抗がん剤などの副作用の強い薬で肝臓が痛めつけられるとうつが発生しやすくなります。うつを改善するためには、肝臓を元気にして、気血のめぐりを良くすることが大切です。

中野薬房ナチュラルインフォメーション