ビタミンB群などの活用を・・・老化の進行を抑え、若さを保つ効果も
◇医師の認知度低く◇

疲労のメカニズムが明らかになりつつある中、適切な措置を施して慢性疲労症候群を予防しようという試みも始まっています。ところが、「疲労を訴えている患者さんに何をすればいいのか分からない」医師も少なくないようです。
受診しても、血液を調べて貧血がないことを確認する程度だったり、心臓肥大を疑ったり、肺炎を疑う医師が多く、結局は何もないと判断してビタミン剤を飲むよう勧めて、しかも薬を処方せずに薬局へ行くよう促す医師もいるそうです。(中略)

◇微量成分の役割◇
疲れに有効な対策を探る為、文科省研究班はアンケート調査を行いました。大阪市民1219人を対象に「疲れを感じた」時にどのような行動をして、なおかつそれが効果的と実感している割合を調べました。すると最多の56%が実践していたのは「入浴」で、半数弱の「入浴剤の利用」、3人に1人の「コーヒー」の順、「よい」と回答した割合は、それぞれ約40%、約15%、5%未満と必ずしも満足度は高くありません。そこで「よい」とする回答が多かったものをみると、「笑い」「アロマセラピー』「アニマルセラピー」「温泉』が上位を占め、そのほかに「マッサージ」「指圧」「体操」「栄養ドリンウ」も効果を感じる割合が高い対策でした。
疲労回復に必要な成分のうち自ら体内では作れないビタミンBlとパントテン酸は食品から摂取しなければなりません。ところが、ビタミンBlの摂取状況を05年の国民健康・栄養調査でみると、15歳以上の日本人が食品から摂取するビタミンBlの平均摂取量は、男女ともに推定平均必要量を下回っています。「ビタミンBl不足」と言えるレベルではないものの、疲れにくい体を作るにはビタミンBlの補給が必要です。
 またビタミンBlを効率よく摂取するためには、医薬品などに使われる物質で、体内吸収されてからビタミンBlになるビタミンBl誘導体「フルスルチアミン」が使われています。フルスルチアミンもビタミンBlも小腸から吸収されますが、フルスルチアミンの方が数十倍から数百倍も吸収されやすく、しかも体内に入ってからも筋肉や脳に行き渡りやすいという特徴があります。
 またビタミンB群のひとつであるパントテン酸には、ストレスが細胞に与える障害を緩和する副腎皮質ホルモンの分泌を調整する働きがあります。ストレスがかかっている細胞の負担を軽減する効果もあるため、「抗ストレスビタミン」という異名もあるほどです。ただし、パントテン酸は不安定な物であるために、医薬品などには「パントテン酸カルシウム」が使われています。
 最近話題になっているCoQlOは、体のいたるところでビタミンEとともに抗酸化物質として作用していて、動脈硬化の予防効果があると言われています。40歳を過ぎると体内での濃度が下がることから、疲労回復や老化の進行緩和などの効果を期待して不足分を補充する目的で、食品や化粧品などに利用されています。
(中略)
 健康の基本はバランスの良い食事と質の良い睡眠。ところが、現代社会では思い通りにいかないことの方が多いのが実情です。
大阪市立大学大学院医学研究科、渡辺教授は「ただ漠然と医薬品や栄養ドリンウを飲めば元気になるわけではありません。体に必要なエネルギーを効率よく作り出せる栄養状態を整えることが老化や疲労を予防、軽減でき、健康的に生きることにつながります」とアドバイスします。

 毎日新聞(12/3)より


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