侮れないノロウイルスの感染力
冬季に流行する胃腸かぜ 《侮れないノロウイルスの感染力》
従来から冬にも食中毒が流行し、その原因の多くは夏の食中毒の原因である細菌とは異なり、ウイルスによる感染症として扱った方がよいようなノロウイルス(従来は小型球形ウイルスSRSV)による急性胃腸炎の集団発生が起きている事が分かってきました。そして発生時期がインフルエンザの流行時期と丁度重なっていることから、従来はこのような事例の多くは、集団かぜ、胃腸かぜ、あるいは嘔吐症の集団発生として扱われていました。
(臨床症状)
ノロウイルスによる急性胃腸炎の主な臨床症状は、下痢、嘔吐、腹痛や軽度の発熱で、通常は2〜3日程で回復しますが、乳幼児や高齢者、体が弱っている人などでは、脱水や合併症により重症となることがあります。ノロウイルスはウイルスがロから入る事により感染しますが、食物や水に含まれるウイルスだけでなく、患者の便や吐物に含まれるウイルスによる二次的感染があり、また症状が消えた後も3〜4日、長い場合は1〜2週間ほども便にウイルスが排出されるので、感染予防上の注意が必要です。
(治療について)
一般的には対症的な治療が中心になります。具体的には下痢や嘔吐などで体内から失われた水分や電解質を経口や点滴などで補給し、脱水の改善と電解質(イオン)バランスの調整が行なわれます。又患者の年齢・症状等を考慮して、抗生物質が投与されることもあります。
(経過について)
体内に病原体が侵入した後、症状が出るまでの潜伏期も原因となり、病原体によって大きく異なりますが、一般的には1〜3日程度(短いものでは6時間、長いものでは10日前後まで)。この間は本人に症状はないのですが、他人に感染させる可能性があります。病気の発見が遅れたり、治療が遅れた場合には嘔吐、下痢、発熱などの症状が組合わさることによって、脱水症が重症化して生命にかかわる事もあります。
ありふれた病気、たかが脱水症だと軽視すると、非常に危険な状態に陥る事も少なくないので、十分な注意が必要です。


