第2章 症状とツボ

6.座骨神経痛



6.坐骨神経痛
 
 坐骨神経は腰から始まり、おしり、太ももの後ろ側をとおって、足先までいっているものと、太ももの後ろから分かれて、足の前側を通り、足の甲にいっているものがあり、人体で最大最長の末梢神経です。
 割に浅いところを通っていて、障害や寒冷など外部の影響を受けやすく、神経の走る部位に沿って痛みがでます。
 重いものを持ち上げたり身体を曲げたり、くしやみをする、寒冷などがキッカケなどで、痛みが誘発されることが多いもの。
 その痛み方は「アッ」と声がでるような発作的な強い痛みというよりも、じわじわと続くいやーな感じの痛みとか、刺すような痛み、引きつけるような痛み、焼けるような痛みなどと表現ぎれる不快感の強い痛みです。
 また、夜間とか、梅雨の季節など、季節や時間帯によっても症状が悪化します。
 あお向けに寝て、ひざを伸ばしたままで、足を持ち上げると坐骨神経が引き伸ばされるために激しい痛みを感じるはずで、検査に用いられる方法です。
 原因で最も多いのは腰部椎間板ヘルニア、変形性脊椎症などで、神経が刺激、圧迫されておこります。
 このほか、糖尿病、脊椎腫瘍、その他重い病気が擬されていることもあるので、長く続くときには検査を受けてください。
 いずれにしても、坐骨神経痛の治療に即効は望めませんが、足腰の冷えや過労、不自然な姿勢をとらないことに注意し、気長に手当をしなければなりません。
「ツボ療法」は一時的な冷え、湿気、疲労などで起こった痛みと、体調調整に応用することに役立ちます。
 
漢方薬では
 漢方薬では、西洋医学上の病名にとらわれず、「証」によって、次のような処方がよく用いられます
 @八味丸(はちみがん)
 体力があまりない人で、下半身の脱力感や皮膚がカサカサになった感じがあったり、のどがよく渇いて、夜間尿の回数が多く、老人や、糖尿病患者などの、坐骨神経痛によるしびれ、腰痛に効果があります。
 地黄、牡丹皮、筏苓、沢潟、山菜英、山薬、附子、桂枝の八種類の生薬からつくられていることから、「八味丸」または「八味地黄丸」(はちみじおうがん)ともいわれます。
「腎気丸」(じんきがん)ともいわれ、老化現象による腰から下のトラブルに用いられる処方です。
 A桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
 比較的体力が低下している人で、冷え性、慢性的な痛みや、手足にしびれ感などがあり尿量が少なく、腰痛や屈伸困難など訴える人の坐骨神経痛に用いて効果的です。
 B芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぷしとう)、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞう)
 二つの処方とも、あまり「証」にこだわらず痛みの激しいときに用いられます。
 C当帰胃薬散(とうきしやくやくさん)
 比較的体力が低下していて、顔色は青白く、貧血ぎみで、疲れやすく、生理異常がある人におこる坐骨神経痛、腰痛に用いる処方です。
 D五積散(ごしやくさん)
 比較的体力が低下している人で、寒さとか、湿気に順応する力が乏しいために、温度が急に下がったり、湿度が上がったりすることによって、腰痛や下腹部、下肢に冷感がおこる人に用いる処方です。
 F疎経活血湯(そけいかっけつとう)
体力が中程度の人で、腰から下の関節に激しい痔痛があり、特に夜間に冷えると痛みが増すというような症状に効果が上がります。
 G甘草附子湯(かんぞうぶしとう)
 どちらかというと、体力の低下している人の神経痛全般の炎症による痛み、下半身の屈折が困難な症状を示す人に用いられます。