耳のツボ療法







耳のツボ療法
 
「ツボ療法」には、今まで述べたように針、灸、指圧、按摩、マッサージ、電気療法など、その刺激の方法はいろいろありますが、刺激を加える部位、つまり「ツボ」の位置は身体
の表面にあります。
 その数は、昔は一年の日数と同じく「365穴」あるといわれたのですが、現在では新しいツボが加わり一千以上にもなっています。
 昔からの「ツボの図」などを見ると、頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」というツボから足の爪の角、足の裏にあるツ貯まで、「ツボ」はまんべんなく身体全体に配分されているかのように見えます。
 しかし、よく見ると面白いことに、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の書いた怪談の中の「耳なし芳二にでてくる「耳」のように、「耳」の部分だけがツボの空白地帯になっているのです。
 耳の周囲にはツボ名が記載されていますが、耳の内側に「ツボ」が無いのかというと、そんなことはありません。
 中国最古の医書「黄帝内経」の中に、「耳は孤立した器官ではなく、五臓六腑と密接な関連を持ち、左右の耳介に全身の部位や器官の代表区が集約されている」と説かれ、耳のツボの分布図が形成されているのです。
 耳の形は、おなかの中の胎児の形に酷似していて、耳介上に体幹、上肢、下肢に関連するツボが上下逆さまに配列され、各器官の位置も経験的に図示されていて、興味深いものがあります。
 ただ、耳のツボはごく狭い範囲の中にあるため、身体のツボに比較して扱い難く、一般化しなかったため、存在が目立たなかったのではないでしょうか。
 日本では20年ほど前、肥満対策のための「耳ツボ療法」がブームになって以来、だいぶ知られるようになりました。
 外国では、フランスのリヨンの医師ポール・ノジエがスペインの治療家の耳介焼灼による腰痛治療からヒントを得た研究が有名です。
 現在フランスの医学部では、針と耳介療法が教えられ、ドイツでは耳介療法が健康保険の対象になっているなど、ヨーロッパのほうが本格的かも知れません。
 さて、難しい理屈はさておき、耳が身体の状態を反映しているかどうかを簡単な方法でテストしてみましょう。
 まず、あなたの両耳の耳介の部分を、両手の親指と人差し指で同じ程度の力で、同時にはさんでみてください。
 左右の耳の硬さは同じ程度でしょうか、また痛く感じる部分はありませんか。
 例えば、「肩こり」があるとき、左右の耳の硬さが違うようであれば、硬いほうの側の肩こりが強いことを示しています。
 そこで、硬くて、痛く感じる部分をよくもんでいると、いつのまにか柔らかくなり、痛みも感じなくなってきます。
 このとき、肩に手を当ててみると、先ほどまでの肩こりが、一部例外の人を除きグンと楽になっているはずです。
 自分では、よく分からないという方は他の人で試してみてください。
 また、慢性的な病気のある方の耳の中に、皮甫病とは違う、色の変化や、フケのようなものが、病状に比例して見られることも少なくありません。
 何らかの理由で例外もありますが、ほとんどの方はこの方法で、身体と耳の関連に気づかれるでしょう。
 それだけに、日常、自分の耳に関心をはらって、指で挟んで、硬い、痛いという状態が無いように心がけたいものです。
 そのためには、自分でできる「耳マッサージ」と「耳ツボ・バイブレーション」の2つの方法があり、これを実行すると耳に柔軟さが蘇るのはもちろん、精神的にもリラックスする効果が認められ、ストレスのかかっている方に大変喜ばれています。
 もともと、健康な人の耳は豊かで張りがあり、ツヤもよく、大きく見えるもの。
 この際自分の耳をもう一度見直して、より豊かな耳になるように心がけてください。
 苦から仏像とか歴史上の人物の耳は皆大きく、また身近の人の耳でも大きな耳は福耳といわれ吉兆とされているのですから、自分の耳もそうなりたいものです。
 なお、この「耳マッサージ」と「耳ツボ・バイブレーション」、「耳ツボ痩身法」「耳ツボ療法」 の詳細については本書では頁数の関係上省略します。