灸(きゆう)




灸(きゆう)
 
灸(きゅう)による「ツボ療法」は、温熱による皮膚刺激効果を利用したもので、苦から、「もぐさ」を熱源として、一般家庭でも広く行われてきました。
「もぐさ」を使うことは、科学万能の現代では、何か古くさいように感じられますが、今のところ、実用上、これに勝る熱源はなかなか見当たらないようです。
苦から「悪いことをすると、お灸をすえるゾ・⊥などと脅かされ、お灸といったら、熱くて恐ろしいものと思われてきたようですが、今ではそんなことはありません。
昔は、わざと皮膚を焼いて、大きな跡を残す熱い「打膿灸」(だのうきゅう)などという方法があったので、いたずらっ子をたしなめるのに使われたのでしょう。(有痕灸)
 現在では、ごく小さな跡を残すだけの「透熱灸」とか、家庭では、皮膚にショウガやニンニクを薄くスライスしたものや薄い円盤型の味噌をツポの部位にのせ、その上で「もぐさ」を燃やし、熱くなったら取り除く、跡のつかない「無痕灸」の方法が用いられます。
 最近では、そのような手間を省き、均一化した熱量が得られるように作られた各種の台座灸(インスタント灸)が市販されているので、これを使用すれば家庭でもお灸ができま
を我慢しないようにして下さい。
 熱いのをガマンしてすえていると、皮膚に水痘ができることになりますから、早めに取り去るのが大切です。
 また、中国製の太くて長い「棒もぐさ」は、専用のお椀型温灸器具に差し込んで使います。
 熱量が大きく、温感の調節が容易で、しかも皮膚に温熱を与える範囲が広いため、ツボに当たりやすいという利点があります。
 家庭での使用に好適ですが、同じ棒状でも、もぐさだけで作った「棒もぐさ」よりも、十数種類の薬草を配合した中国製の「棒もぐさ」のほうがより効果的だといえるでしょう。
◎灸をすえる期間とタイミング
 灸の字を分解すると、久しい火と書くように、長くお灸を続けるのが効くといわれたりしますが、症状の軽重によって、手当ての期間が変わるのが当然です。
 また、毎日連続して灸をすえるのではなく、3日お灸をしたら1日休むか、3週間続けて1週間休むというパターンで続けるのがよいでしょう。
1日のうちでは、毎日大体同じ時間に手当てをすることにします。 食事の直前、または直後の1時間以内と、入浴の直前、または直後の1時間以内のお灸は避けて下さい。
◎灸をしてはいけない人と場合
★飲酒のあと★高熱がでている場合★伝
染性の病気の人★妊婦の腰、腹部を避ける★ひどく疲労している人★血圧が高くなってい
る場合★極端に灸を恐れている人
◎その他の注意事項
★熱いのをガマンしないこと
 熱いのがお灸だ!、熱いほどよく効くと誤解している方が少なくありません。
 もぐさが多すぎるとか、ツポから外れていたりすると熱く感じます。
「棒もぐさ」 の場合には、もぐさの火と、皮膚面を近づけ過ぎないように、高さを調節し、ポカポカする感じが続くようにすること。
★灸あたりしたら…
 灸になれていない人が、急に強く、多く灸をした場合、二、三日以内に発熱とか倦怠感
がおこる場合があります。
 お灸をしばらく中止して、体調の回復を待って再開するかどうか決めます。
★禁灸穴(きんきゆうけつ)
 お灸を据える場合、そのツボにはお灸をすえないことと、苦から決められたツボがあり、
これを禁灸穴といっています。
 本書では、妻中、陰陵泉、天柱が該当しますので、他の方法で手当てしてください。