第2章 症状とツボ

頭が痛い、頭が重い


1.頭が痛い、頭が重い
 
 「頭が痛い」とか、「頭が重い」という症状は、日常私たちの身近によくあることですが、その原因はさまざまです。
 いちばんよくみかけるのは風邪のひき始めなどにおこる頭痛や頭重でしょう。原因と手当ての結果が、分かりやすいものです。
 これにつづいて目、鼻、耳、歯のトラブル、高血圧、低血圧、貧血、脳疾患など広い範囲の病気に伴って症状が現れてきます。
 その上に、気候の変化とか肉体的過労、精神的ストレスなどがプラスされると、原因はなお複雑になってきます。
 原因がはっきりしている場合には、その原因をとりのぞくのがいちばんの解決法になるはずですが、実際問題として、複雑で、慢性化した病気が原因になっている人が多い現代では、そう簡単に原因の解消はできません。
 それだけに、いつも「頭が痛い、頭が重い」が口癖で、痛み止めの薬をのみながら不倫快なガマンの毎日を過ごしている人が多いものです。
 このような場合、「慢性頭痛持ち」の看板を下げたご本人が不愉快なだけではなく、周囲の人にも不愉快さが伝染することになるのでご用心、ご用心です。
 最近では、社会状況の変化につれ、精神神経的、心因的な頭痛、頭重で悩む人が大変ふえています。
 精神的なストレスや、たちの悪い原因でない頭痛、頭重の場合には、「ツボ療法」が大変に効果的です。
 
漢方薬では
 漢方薬では、西洋医学上の病名にとらわれず、「証」によって、次のような処方がよく用いられます。
では……
 @当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎやくかごしゆゆしょうきょうとう)
 体力が中ぐらいか、それ以下で、手足など末端の冷えが強く感じられ、しもやけなどになりやすく、ときに腰痛、腹痛などを伴ったりするような人の慢性偏頭痛などによく用いられます。
 A当帰芍薬散(とうきしやくやくさん)
 比較的体力が低下しており、顔色は青白く、貧血ぎみ、排尿回数は多いが、尿量は少ない傾向があり、生理異常などを伴うこともあるような女性の目まいを伴う頭痛などによく用いられます。
 B呉茱萸湯(ごしゆゆとう)
 比較的体力が低下しており、手足が冷えやすく、食欲不振、吐き気などのある、慢性頭痛や、発作的におこる、激しい頭痛に効果があります。
 偏頭痛にもよく用いられる処方です。
 C桂枝茯苓丸(けいしぶくりようがん)
 体力が中ぐらいか、それ以上で、下が冷え、上がのぼせるタイプで、顔色はよくみえることが多いような人で、肩こり、下腹部痛、生理異常などを伴う人の頭痛などに。
 D三黄瀉心湯(さんおうしやしんとう)
 体力が中ぐらいか、それ以上で、首から頭にかけて痛みがあり、のぼせ、顔面紅潮、耳鳴り、鼻出血、不安感、不眠などの症状を伴うものに。
 便秘がちで、高血圧の傾向のある人の慢性頭痛にも用いるものです。
 E五苓散(ごれいさん)
体力が中ぐらいで、ふだんからのどが渇きやすく、胃に水がたまっている感じがあり、そのわりには尿量が少なく、吐き気、むくみなどの傾向のある人に。
 F桃核承気湯(とうかくじようきとう)
体格がよく、冷えのぼせが強く、顔色が赤黒く、便秘がちで、不安、興奮、肩こりなどを伴うもので、生理不順による頭痛にも用いられるものです。
 高熱があったり、強い痛みや、嘔吐などを伴うときには、まず、医師の診察をうけてからにするのがよいでしょう。